津波リスクを懸念する市議も

 津波のリスクを懸念する声は市議会でも上がっています。岸和田市議の井舎英生さん。津波がギリギリまで迫る可能性がある現在の場所では、有事の際に市役所機能が停止する可能性があると訴えます。

 (市議会で発言する井舎英生議員)
 「これ(ハザードマップ)は津波による災害の範囲を決定するものではありませんと書いてあります」

今の場所での建て替え決定後『活断層の存在』が判明

 さらに津波以外に、もう1つ大きな問題があります。2020年、市役所のすぐ近くに約21kmにわたる活断層「大阪湾南東岸断層」があることがわかったのです。
 それでも建て替え場所の見直しが進まない理由は…。

 (岸和田市議会 井舎英生議員)
 「ここ(現庁舎位置)に建てるということを2年前に議会で決めているんですね」

 実は、活断層の存在が発表される8か月前に議会で今の場所での建て替えを決定したのです。
 (岸和田市議会 井舎英生議員)
 「(反対しているのは)まだ僕はマイナーな存在ですね。1回賛成したものを『いやぁ』と今更言えないというジレンマがほかの議員さんにはあるんだと思います」
 活断層の存在が判明した後も建て替えの方針を変えない岸和田市。活断層のリスクについて市は、活断層の影響を調査した上で問題ないと判断し、2020年の議会で決まった建て替えの方針を変えるつもりはないとしています。

 【市の回答内容】
 『断層線だけに注目し、そこだけを避けるということではなく、現在の耐震技術を駆使することで、耐震性ある庁舎で対応する』