築60年以上になる大阪府岸和田市の市役所。老朽化が進んでいることから建て替え計画が進められていますが、建て替え場所をめぐり市民から憤懣の声が上がっています。

「今の場所の目の前」に建て替え方針の岸和田市役所

 大阪府岸和田市に住む中野實さん。市が進める計画に納得がいかないといいます。
 (岸和田市民 中野實さん)
 「建て替える庁舎はこの古い庁舎です。もう建て替えのあれ(限界)は迫っています」
 今年11月に市制施行100年を迎える岸和田市。最も古い庁舎は60年以上前に建てられたもので壁の一部がところどころ剥がれ落ちるなど見るからに老朽化しています。そのため市は目の前にある駐車場に庁舎を建て替える方針です。

海岸から市役所までわずか800m…『津波注意』の看板も

 しかし現在の岸和田市役所が建っている場所のすぐ近くにある看板には『津波に注意 この付近の地盤は海抜3.0m』と書かれています。
 ​南海トラフ巨大地震が発生した場合、岸和田市内でも最大震度6弱の地震が起こり、発生から約1時間33分後に最大4.4mの津波が到達するとされています。
 海岸から市役所までの距離はわずか800mほどで、津波の危険性と隣り合わせ。庁舎を建て替えるこの機会に海から離れた場所に移転するよう中野さんは声をあげているのです。

 (岸和田市民 中野實さん)
 「(市役所を)山手の方の標高の高いところへ持って行ったら、いろいろ安心安全な面があるんじゃないかなと私は思っています」