東京大学経済学部を卒業後、証券会社や国内外の企業で資金調達業務に携わるなど、金融関係で12年ほど働いていた青木さんが酒造りの世界に飛び込んだのは4年前。山形県の酒蔵に、経営企画担当として入社したのがはじまりです。

「いろいろな理由があるんですけど、一番大きいのは“日本酒が好き”ってこと」
「好きなことを仕事にすることって、幸せじゃないですか」

日本酒好きが高じて転身し、山形県の酒蔵で仕事をするなかで、青木さんは「酒蔵を経営したい」という思いが強まったそうです。

「国内はどうしても人口が減るので、マーケットは小さくなっているとみえますけれど、海外の輸出が伸びていたりとか、海外でお酒を造る酒蔵が増えてきたりだとか、これからまだ可能性がある…」

「広い敷地・雪が降る・コメの産地」を条件に事業譲渡を望む酒蔵を探していた青木さん。2024年9月に高橋酒造と出会い、念願の酒蔵の経営者となりました。

「『ようやくここまで来たな』というのが正直な気持ちなんです。すごく小さな一歩なんですけど、大きな一歩だなと思っています」

ただ、日本酒業界を取り巻く状況は厳しさを増しています。