子どもが多いだけでしょっ、て言われ…

ピアサポーター研修を修了した井上菊恵さんのもとに1月、多胎児の母親から依頼がありました。

1歳1か月の双子、結珠ちゃんと緒斗くんを育てている塚田裕子さんの外出を支援します。

小学3年生の長女と小学1年生の双子の母親
井上菊恵さん
「おはようございます。きょうはよろしくお願い致します。(準備)一人で頑張りましたね」

昼夜問わず1日20回の授乳が繰り返され、寝ることもできない日々が続くという塚田さん。夫も県外に出身中のため、身近に頼れる身内はいません。

1歳1か月の双子の母親 塚田裕子さん
「わたしが熱出たりしたときとか。誰にも頼れないので、よく乳腺炎とかなるんですけど、そのときはしんどいです」

ピアサポーターの井上菊恵さんが、塚田さんの双子の予防接種に付き添います。

これまで予防接種は、夫の休みに付き添ってもらって行っていた塚田さん。1人で二人を抱っこしながらの外出は、とてもできないといいます。

1歳1か月の双子の母親 塚田裕子さん
「怖くて、1人で子ども2人を連れて出かけることはなかなかできません。だから家にこもりがちになりますよね。双子のことを相談できる機会もないですね」

車に乗り込むまで、井上さんが結珠ちゃんを抱っこ。チャイルドシートの手助けも行います。

病院についてからも、先輩ママである井上さんがしっかりと双子を見ていてくれています。

1歳1か月の双子の母親 塚田裕子さん
「保険証と医療費の受給資格証に予防接種券…病院で受付をするだけでも大変」

小学3年生の長女と小学1年生の双子の母親
井上菊恵さん
「2人みているし、ゆっくりでいいよ」

井上さんも富山では頼る身内がいませんでした。

小学3年生の長女と小学1年生の双子の母親
井上菊恵さん
「ほしかったです。こういうサポートが。役所に行っても子どもが多いだけでしょってとらえられちゃって、制度がない。そんなんだったら働いたら?働いたら預けられるから保育園に。って言われて。私は子育てをしたくないわけじゃなくて、下の子をちゃんと育てたいだけなんですって。そういうやりとりがあって、じゃあもうお金で解決するしかないって」

井上さんは生後数か月から有料の子育て支援サービスを利用。月におよそ2万円の出費がありましたが、そのおかげで乳幼児期の過酷な育児を乗り切ったと言います。