小俣キヌ子さん:
「今思うと50歳くらいのおばさんだと思う」

その女性はこう叫んだといいます。

『私にも息子がいて戦地へ行っている。向こうのアメリカが支配する土地で息子がこんな目に遭っていると思って石を投げられたり、悪態をつかれたりするとしたら涙が出るほど悲しい。やめなさい。石を投げるなら俺に投げろ』

小俣キヌ子さん:
「前に立ちはだかった姿が目を閉じると出てくる」

その後、罵声を浴びせたり石を投げる人はいなくなり、亡くなったアメリカ兵は埋葬されたそうです。

小俣キヌ子さん:
「ハッとした、子どもながらに。おばさんが止めなければ当たり前だと思っていた」


小俣さんは戦争の悲惨さや命の大切さを多くの人達に知ってもらいたいと話しています。

小俣キヌ子さん:
「伝えていかなければならない。伝えるのが私の戦争経験者の義務だと思っている」


戦争体験を語ってくれた小俣キヌ子さんは2024年4月に89歳で他界しました。

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