地域移行が進む中学校の部活動についてのシンポジウムが24日、新潟市で開かれ、自治体の担当者らが課題や今後の方向性について考えを深めました。

新潟市 中央区で開かれた「部活動地域移行シンポジウム」。

自治体の担当者らに地域移行についての理解を深めてもらおうと県が開催しました。部活動の地域移行は、少子化の中でも子どもたちが希望する部活動を行えるようにすることや、教員の働き方改革といった観点から重要とされています。

新潟県はスポーツ庁から公立中学校の部活動の「地域移行」を加速させるための重点地域に選ばれていて、すでに各市町村が推進計画を策定するなどして取り組みを進めています。

シンポジウムでは今年9月に中学校の休日の部活動が一斉に地域クラブ活動へ移行する長岡市の取り組みが紹介されました。

【長岡市スポーツ協会 室賀大樹 事務局次長】「経済的、地理的な事情に左右されずに地域で希望するスポーツ・文化芸術活動に取り組むことができる環境を構築しようと、市をエリアで分けてエリアごとに活動場所を設ける構想」

先月開かれた国の有識者会議では子どもたちの活動を学校にとどまらず、地域で支えていくという趣旨で名称を「地域移行」から「地域展開」に変更する案が示されていて、パネルディスカッションではこの「地域展開」に向けた課題などについて意見がかわされました。

【スポーツ庁 地域スポーツクラブ活動アドバイザー 渡邊優子さん】「幼・小・中・高・大人・高齢者、このワンチームができたら私はいいんじゃないかと思っている。高校生が中学生に教える、大人が高校生に指導する。高齢者が見守るこの空間の中で体験や活動や交流や指導、そして見守りができたらどうでしょうか」

部活動改革は来年度までが「改革推進期間」で、2026年度からは休日だけでなく平日の地域クラブ化も推進する方向性が示されています。子どもたちにとってかけがえのない体験となる部活動をどう支えるか、今後も模索が続きます。