熊本市電の相次ぐ運行トラブルを受け、熊本市が市電の延伸計画を延期する方針を固めたことが関係者への取材でわかりました。「安全確保の優先」が理由です。

熊本市電を巡っては、健軍町電停から市民病院前までの約1.6キロで延伸が計画されていて、2026年度中にも着工し、2031年度に全線での供用を目指していました。

しかし市電では2024年、信号の見落としや脱線事故など16件の運行トラブルが発生。また今年(2025年)1月にはレール幅が拡大した影響で一部区間を運休していて、九州運輸局は1月22日、「一連の運行トラブルが利用者に影響を与えている」として行政指導をしました。

関係者によりますと、市はこうした事態を受け「市電の安全確保を優先的に取り組む」として、延伸のスケジュールを延期する方針だということです。

一方、市議会は2024年9月、延伸の実施設計費などで約4億2000万円の補正予算案を可決しています。そのため、延伸計画の延期が正式に決まればこの予算を取り下げる可能性もあるということです。

大西市長は1月24日に記者会見を開く予定で、延伸計画について説明を行う見通しです。