製薬メーカーも危機感

薬価が下がっても原材料価格は上がり続けているため、作っても利益が出ない恐れがあり、メーカーが製造を減らしてさらなる薬不足につながっている現状。

製薬メーカー側も危機感を話します。

(中外医薬生産株式会社 田山小次郎 取締役)
「製薬業界全体としては、原料・資材代や設備代も上がってきている。安定供給するためにはある程度の利潤を確保できないと、どうしても対応しきれない部分が出てくることもあるかと思います」

(大石)
「本音を言うと、(薬価を)上げてほしいですか?」

(中外医薬生産株式会社 田山小次郎取締役)
「もちろんそうですね。永遠に下がっていくと、製造もできなくなってしまうので、製薬会社としては苦しくなってきている」

(大石)
「この状況が続いていくと、今後どんなリスクが生まれますか?」

(名古屋市立大学薬学研究科 中川秀彦教授)
「新しい病気にかかってしまう人が増えたときに、最悪の場合には『日本の製薬会社ではその病気の薬は開発できません』という状況も生まれるかもしれない。世界的に感染症が流行すると他の国も同じ薬を使いたいということで、『日本に分けてあげる薬はないですよ』というようなことになってしまうと、“国内で治療するための薬がない”という状況になる可能性はあると思います」