今後の調査ポイント “守秘義務の解除”が調査のカギ?

―――また、今後の調査について、「フジテレビ側は女性が協力しやすい体制を作ること」が重要のようですね?

 「今回の事案は大きく2つのポイントがあります。1つが2023年6月に起こった中居さんと女性とのトラブル。もう1つが女性アナウンサーを接待として加えることが常態化していたんじゃないかということ。中居さんのトラブルについては、女性側が話をしてくれないと調査委員会も内容がわからないという可能性があります。女性側は週刊誌の取材に対して『フジテレビを許していません』というふうにお答えしています。そうなると、フジテレビの調査委員会では『私は協力できない』となる可能性がありますね。一方、第三者委員会で独立性が担保されているならば、『私もできる範囲内で協力ができますよ』となる可能性があるかと思います。そういう意味から、第三者委員会という独立性を担保した機関を作ることが、協力しやすい体制かなと思います」

―――「中居さん側に守秘義務を残したまま女性側だけ守秘義務を解除することは法律上可能」ということですが、これはどういう意味でしょうか?

 「中居さんと女性側とで結んだ示談というのは、週刊誌報道がないことを前提とした示談です。その中に口外禁止(守秘義務)条項があるというところになってきます。(各所で報道された)今のタイミングにおいてはもう状況が変わったので、守秘義務の範囲を変えていくであったりとか、場合によっては、あくまでもこれは合意に基づいた守秘義務条項になってきますので、女性側だけ守秘義務を外すとか、そういったことはできるようになってきますね」

―――週刊誌報道があり、広く報道されるようになったという前提で、また違うことも考えられるということでしょうか?

 「そうです。新たに、女性側の弁護士と中居さん側の弁護士で交渉していき、示談をしたときではなくこの現状に即してどういう発表するのか、どういうことについては絶対言わないようにするのかと。ここについては、世の中との関係においても調査委員会との関係においても重要になってくるかなと思います」

◎河西邦剛:弁護士 エンターテインメント法務の第一人者 芸能界における法律問題に詳しい