背景に少子化「早めに定員を囲うことができる」

松蔭高校では3年生350人のうち101人が、共通テスト前に一旦受験を済ませていました。これから受験する生徒に聞くと。

(一般受験の生徒)
「いいなと思う。友達も合格が決まっている人もいるのでうらやましいなと思う。一般受験で最後まで頑張って志望校に行きたい」

(一般受験の生徒)
「一般で受ける身としては、ともに切磋琢磨して競い合う仲間が減るのは寂しい」

文部科学省のまとめたデータでは、大学全体の半数近くが推薦や総合型選抜で入学を決めている現状も。

なぜこうしたことが起きているのか。少子化の中、大学側の事情も見えてきます。

(愛知大学入試課 後藤憲浩さん)
「私立大学の7割が定員割れ。(推薦や総合型選抜は)早めに安定的に学生の定員を囲うことができる」

少子化で定員割れの大学が増え、入学者をどれだけ確保できるかは大学の経営に直結する死活問題。そのため受験シーズン前に、できるだけ多くの学生を確保しようと試験なしでの入学枠を増やしていますが、そこには懸念も。

(愛知大学 後藤さん)
「学力試験を課さないケースもある。基礎学力の低下を懸念」