トランプ氏再選による萎縮に警鐘「ジャーナリストが勇気を持って立ち向かわなければ」

有力紙・ロサンゼルス・タイムズでも、選挙直前に候補者の支持表明が取りやめられた。

当時、論説委員を務めていたカリン・クライン氏は、ここでもオーナーによる介入があったと話す。

ロサンゼルス・タイムズ カリン・クライン 元論説委員
「ロサンゼルス・タイムズで35年間働きました」
「委員会として私たちは、ハリス候補の支持を表明しようとしていましたが、オーナーはそうさせませんでした。非常に不適切だったと思います」

論説の差し止めを迫ったのは、風刺画にも描かれたオーナーのスン・シオン氏。「世界一の金持ちドクター」とも言われ、2018年にロサンゼルス・タイムズを買収した。

ロサンゼルス・タイムズ カリン・クライン 元論説委員
「彼は『中立』であることを求めてきました。しかし、私たち論説委員の仕事は中立であることではありません。中立であってはいけないのです。私たちは8年間トランプを批判してきました。中立だと言って、誰が信頼してくれるでしょうか」

この決定を受けて、クライン氏は35年間務めたロサンゼルス・タイムズを離れた。

村瀬健介キャスター
「35年間働いた会社を離れることは、とても辛い決断だったのではないでしょうか」
ロサンゼルス・タイムズ カリン・クライン 元論説委員
「とてもとても難しかったです。無期限の雇用契約を結んでいましたし、会社には多くの友人がいます。彼らには感謝しているし、思い出も沢山ありました」

相次ぐ風刺画や論説の掲載中止。メディアがトランプ氏の再選によって萎縮していると警鐘を鳴らす。

ロサンゼルス・タイムズ カリン・クライン 元論説委員
「多くのメディアで同じことが起こっているんです。トランプはとても攻撃的で、敵だと見なした相手にはどんな手を使ってでも傷つけ、圧力をかけることをためらいません。トランプに対して、立ち向かうのが難しくなっていることは確かです。だからこそ、私たちジャーナリストが、勇気を持って立ち向かわなければなりません」