1月18日は海の緊急通報用電話118番の日です。

去年11月、山口県下松市の笠戸湾で船どうしが衝突し、3人が死亡する事故が発生しています。
こうした海の事故を防ぐには、どうしたらいいのでしょうか。

去年11月17日、午前5時半すぎ、下松市の笠戸湾でプレジャーボートとタグボートが衝突し、プレジャーボートに乗っていた男女4人のうち3人が死亡しました。
4人は釣りのために集まっていたということです。

ぶつかったタグボートはおよそ400トンの鋼材を載せた台船を引いていて、ボートは、この台船かロープに衝突したとみられています。
事故当時は日の出前で、下松市には濃霧注意報が発表されていました。

あの事故から2か月。

夜間など、視界が悪い中での航海にはどんな危険が潜んでいるのか、徳山海上保安部が報道向けの説明会を開きました。

実際に船に乗り込み、夜間の見え方を再現しました。

そもそも、船には高い位置につけられる「マスト灯」と左右を識別する「舷灯」、そして船の後ろを示す「船尾灯」があります。
操縦する人は、この光の見え方でどこに船がいるかなどを確認しなくてはなりません。

ただ、まっくらな海の上で見える明かりは、この程度。船が近づいても、船体そのものはほとんど見えません。

また、明かりをすべて消すと・・・
船がどこにいるのか、全く分からなくなってしまいました。

この明かりを見つけやすくするため、操船時はライトなどはつけません。

しかし、周辺に明るい建物などがある場合は、その光で船の明かりが見えにくくなってしまう場合もあります。その中で、操縦者は360度まわりに危険がないかを確認しながら安全に運航する必要があります。
これが「見張り」です。

去年までの5年間に徳山海上保安部の管内で発生した船舶事故127件のうち、夜間や霧などで視界が制限された時に発生した事故は20件
このうち7割以上が「見張り不十分」が原因でした。

雨や霧などで視界が悪い時はもちろん、日中であっても「見張り」は重要です。

徳山海上保安部
「まずは一義的に『見張り』、これは必要不可欠なものですから、その『見張り』を厳重にした上で、可能なかぎり速力を落として、安全に航行していただくと少しでも事故が減るのかなというふうには考えてます」

海上保安庁では、海の事件・事故があったときの緊急通報用電話番号「118番」を設けています。

また、1月18日からは現場状況を映像で伝えられたり、海上保安庁からけが人の処置に関する動画を送ってもらえたりする映像通報システムも新たに設けられます。

まずは事故がないように。
そして、「もしも」のときには迷わず「118番」
この機会に覚えておきましょう。