たとえ“Zランク”の評価でも…活断層の存在自体が大地震の可能性
そもそも、活断層は過去に繰り返し活動していて、今後も活動すると考えられるため、たとえ「Zランク」と評価された活断層でも、活断層が存在していること自体が、大きな地震が発生する可能性を示すものであることに注意が必要です。
実際、最大震度7が観測された、1995年兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)の発生直前の確率は0.02%〜8%、2016年熊本地震の場合は、ほぼ0%〜0.9%でした。

日本には、わかっているだけでも約2,000もの活断層が様々な場所に存在しますが、この活断層による地震とは別に、海溝型地震というものが存在します。
海溝型地震は、海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込む際に発生する地震で、この地震の震央は海の中である場合が多く、地震発生に伴う巨大津波にも警戒する必要があります。
海溝型地震については、活断層型の地震とは別に、30年以内の発生確率に基づいて、以下の4つのランクに分類されています。
Ⅲランク:26%以上
Ⅱランク:3%~26%未満
Ⅰランク:3%未満
Xランク: 不明
例えば、南海トラフ地震は、この海溝型地震の『Ⅲランク』に該当します。
繰り返しになりますが、発生確率の値やランクはあくまでも目安で、どんなランクの地震でも事前の備えは重要です。
地下に隠れ、まだ見つかっていない活断層も…
内閣府によりますと、近い将来の発生の切迫性が指摘されている大規模地震には、南海トラフ地震だけでなく、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震や首都直下地震、中部圏・近畿圏直下地震など多くの地震があります。
加えて、地下に隠れていて、まだ見つかっていない活断層もあるとされており、大規模な地震が発生する可能性が高いといわれている地域だけでなく、どこで、いつ大きな地震が起きてもおかしくありません。
松山地方気象台の沼野あかね南海トラフ地震防災官は、どの場所でも“事前の備え”が重要と呼び掛けています。
突然襲ってくる地震。自分や家族の身を守るため、そして迅速な避難、安全確保を行うため、常日頃から備えることが重要です。