一時は目を背けていた“あの日の記憶” 再び向き合うきっかけは…

 震災発生から8年後、トリアージを実行した松田さんはこの世を去りました。

 淡路病院を離れた水谷さんはその後、あの日の記憶からは目を背けるようになったといいます。しかし、震災発生から10年目、震災を経験した医療従事者と、そうでない医療従事者との間で、災害への意識に大きな差があると痛感します。
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(水谷和郎医師)「他のスタッフにどんどん聞いていけば聞いていくほど、みんな大変な思いをしていないから、なめてかかっているというか。あのビデオを見てもらったら、どれだけ大変やったかというのが、ちょっとでも分かってもらえるかなと」

 いつかまた大災害が起きた時のために。災害医療の厳しさを少しでも知ってもらおうと、あの日の記憶と映像に向き合うことを決めたのです。