「政治的闘争は今後ますます本格的に」

 ―――韓国の世論は今、大統領を支持しようという声も増えてきているということですが?

 「そうなんですよね。ただ、これは必ずしも尹大統領を支持しているとか戒厳令が正しかったという意見ではなくて、今回の逮捕劇のように、野党側がまるで占領軍かのように大きな顔をしてどんどん踏み入ってきていると。それに対する反発でむしろ保守系の世論が結集している。その結果、今ほとんどの世論調査機関において40%対40%ぐらいで、戒厳令が出される前の状況に戻っています」

 尹大統領が出した『戒厳令』は軍事力を持って国家の秩序を維持するものですが、民主国家である韓国でそれが許されるのは、例えば戦争や国内で大規模なテロ・暴動が起きたとき。これを野党を抑えるために使ったことに国民の約9割は「あってはならない行為だ」と、ほぼ意見は一致しているといいます。

 一方で大統領を民主的、法律的な正当な手続きなしに引きずり下ろす形で弾劾に追い込むやり方にも賛成できないという反発が出ているのが現状だと金教授は話します。