消防隊の救助活動など記録された写真が初公開

中村さんが見た実家周辺の変わり果てた姿を記録した重要なネガフィルムが西宮市消防局に残されています。今回、30年の時を経て初めて公開されました。その数は写真にして1363枚。市内での悲惨な状況が見て取れます。

 当時の広報担当の手記には、カメラを持って被災地を回る葛藤が描かれていました。

 (隊員の手記より)
 「病院は野戦病院のようで胸が詰まり結局シャッターを一度も押せなかった」
 「『なぜ写すんよ、主人が埋もれてんのに…』と救出現場で被災者の奥さんに泣きつかれもした」

 1月14日、当時、消防隊員として救助活動に当たった職員らが、後輩隊員に経験を語り継ぐ研修が行われました。隊員らは多くの助けを求められ、対応が出来なかった苦しさ・くやしさなどを感じたと振り返ります。

 「震災が起これば何があるかわからない。何が起こるか分からない。そして発災時は我々も被災者となる。その中でも一致団結し、一人でも命を救う」

 こうした教訓を次世代に引き継ぐため、これからも記録と、情報を発信することが大切だと語ります。

 「知らない、分からない、教わっていません。こういったことは通用しないということを各々覚悟し、1人でも戦う覚悟が必要となってくる」