今年(2025年)11月、聴覚障害がある選手によるスポーツの国際大会「デフリンピック」が日本で初めて開催されます。21の競技がある中、陸上で出場を目指す大学生を取材しました。
100年の歴史「デフリンピック」とは

デフリンピックとは、「耳が聞こえない」という意味の英語「デフ」と「オリンピック」を組み合わせた造語。耳が聞こえない、聞こえにくいアスリートによる国際大会です。
1924年にパリで第1回大会が開催され、今年11月には日本初開催となる東京大会が行われます。
陸上男子100mと、4×100mリレーでデフリンピック出場を目指すのが、熊本学園大学3年の冨永幸佑(とみなが こうすけ)選手。

自己ベストは10秒99。去年、世界デフ陸上選手権に出場したスプリンターです。
熊本学園大学 冨永幸佑選手(20)「今年の目標は春に行われる日本デフ陸上選手権で良い走りをして、日本代表に選ばれるように頑張りたい。100mで10秒7を出したい」
“閃光”にかける勝負
一般の競技ルールとの唯一にして最大の違いが、スタート。デフ大会ではランプの光を合図にスタートを切ります。
しかし…。
冨永選手「スタートランプはお金がかかるため使えません」

スタートランプは3レーン分揃えるだけでも約200万円、9レーン分で約500万円と高額で、さらに、熊本でこのスタートランプがある競技場は一つもありません。そのため、合宿や大会前にしかスタートランプを使えないのです。
では、普段の練習や一般の大会で冨永選手はどのようにスタートしているのでしょうか。