熊本学園大学陸上部 濱太洋主将(2年)「冨永さんが出場する組の時はスターターがしゃがんで下に向けて打つ。光が出るんですけど、その光を見ながらスタートします」

スターターをじっと見つめる冨永選手。ピストルから出る火花を見て、飛び出します。

冨永選手「中学校からこのスタート方法なので慣れはあると思います。ただ、スタートランプの方がスタートしやすいです。ピストルを見るだけで首が疲れる」

生まれつき、耳が聞こえない冨永選手。ろう学校中等部の時に陸上を始め、高等部の時にはろう学校の生徒で競う陸上の全国大会で2位に。更なる高みを目指して入学した大学で、初めて一般の選手と練習するようになりました。

冨永選手と同学年 永椎純世選手(3年)「携帯で会話しながら手話も覚えていきつつ、そこまで違和感はなかったです」「学園大という名前を背負って活躍してくれると、自分たちも嬉しいです」

「陸上」で「手話サークル」で 伝えたい事

冨永選手は、もう1つ力を入れていることがあります。自ら立ち上げた手話サークルの活動です。

サークル活動は週に2回で、まずは手話でのコミュニケーションを楽しんでもらうことを大切にしていると言います。

サークルのメンバー「初心者なのでわからないですが、丁寧に口も使って教えてくれるので優しい先輩です」

冨永選手は、自分と関わることで聴覚障害への理解につながってほしいと願います。

冨永選手「差ではなくて、平等にできるように助け合いたいし、そんな社会になってほしいと望みます」