置き忘れた薬物
男は2024年4月19日、覚せい剤が入った布袋を諫早市の宿泊施設に置き忘れたことをきっかけに覚せい剤取締法違反などの疑いで逮捕・起訴されました。
9月9日の逮捕の際は、自宅でトイレにこもっていたところを逮捕されました。
妻が明かした家族の苦悩
第2回公判では、黒いスーツに身をまとった妻が被告側の証人として証言に立ちました。
男が大学時代に大麻の所持で有罪判決を受けた時から交際していたという妻。乳児から小学生までの子ども3人がいて、今は義父からの援助と貯金を切り崩して生活していると言います。
妻は法廷で「夫が家に帰ってこなかったり、こそこそしていたりする様子をみて不安に思っていた」と話しました。
「…何もないよね?」と問いかけると「何もない」とこたえたという男。その言葉を信じたくて、薬物をやっていないと思いたくて、妻はそれ以上の追及はできなかったと語りました。
そして発覚した夫の裏切り―。自宅で逮捕された父親の姿を見て、子どもたちは泣いていたと言います。学校にも行けなくなり、妻と子供たちは県外へと引っ越しました。そして妻は夫に離婚を申し出ました。
最後のチャンス
「必ず更生するから待ってほしい」。無職となった元医師の男は、妻の離婚の提案を拒んだと言います。子どもたちを傷つけてしまった、その事実に苦しむ男の様子を見て、妻はもう一度だけ向き合い支えることを決意したと語りました。
妻が通帳を管理し携帯も毎日チェック、週に1回の尿検査と薬物から抜け出すための自助グループへの参加などを約束しました。妻は涙を流して、夫を支えると語りました。
妻:
「自分も子どもも大変な目に遭い、子どもは家も学校も友達も失った。それでも幼い子どもには父が必要。被告が更生できるように厳しく監督する」
被告:
「妻や子ども、周囲の人に多大なる迷惑をかけた。自分の軽率な行動のせいでこんなに周りに影響を与えてしまった。もう二度としないと思った」
依存の深み
男はなぜ、再び薬物に手を出してしまったのでしょうか?
被告:
「眠気や疲れをとるために使用していた。いつでもやめられると思った。今思えば依存症だったんだと思う」
現在男は病院で薬物依存症の通院プログラムを受けています。入院している間、時間をかけて診察をしてくれる医師の姿をみて、「自分もこういう医療がしたい」「医師やスタッフとして薬物の依存症の治療に関わっていきたいと思った」と、法廷で早くも次の目標を語りました。
次回公判では検察による求刑が予定されています。














