来月1日には、県内でも、加工食品やビールなど、様々な食品で値上げが予定されています。
長年、地域で親しまれているパン屋さんも、相次ぐ原材料の高騰で値上げをせざるを得ない状況となっています。
屋良キャスター
「糸満市のスーパーです。パン売り場の一角にはハマキョーパンのコーナーがあって、所狭しとパンが並んでいます。この地域で人気のパンも、今苦しい状況に立たされています」
糸満市にある創業62年のハマキョーパン。市内を中心に、近隣市町村のスーパーなどで販売され、病院や施設など、50以上の事業所に加え、地域の学校給食でも取り扱われています。

長年、地域に親しまれているパン屋さんにも、訪れた値上げの波、今年4月、6年ぶりにすべてのパンの値上げに踏み切りました。
ハマキョーパン 玉城直人社長
「こんなに値上げが迫られるような状況っていうのは初めてですね。心苦しいではあるんですけども、僕たちも値上げしなくちゃいけないってことで、値上げさせてもらったんですけども」
新型コロナの影響で休校が相次ぎ、売上げの多くを占める学校給食が減った当時も、値上げを踏みとどまってきましたが、さらに追い打ちをかけたのが、ロシア・ウクライナ情勢です。様々な原材料の価格が高騰するなか、一番の痛手となったのはパンの製造に欠かせない、油脂の卸ろし値で、去年から3回も値上げされました。
そのため今年4月、すべてのパンを8%~12%、値上げせざるを得ない状況に陥り、看板商品のファミリーロールも、税込み258円から279円に21円の値上げとなりました。


ハマキョーパン 玉城直人社長
「こんなにあがるの?とちょっと厳しい言葉を頂いたりとかもありはしたんですけども、それをしなくちゃ僕たちも生き残っていけないなってところで、値上げ慣行したところもありますね。どうしてもこう止められない流れなのかなっていうのはひしひしと感じていますね」
さらに直面しているのは、電気やガス、水道など、製造コストの上昇です。出来る限り、費用を抑えようと、工場で使う電気のW数を替えたり、蛇口のノズルを変え水量を抑えたりと、節電、節水を徹底しています。
また、パンを焼く鉄板も、鉄製からテフロン製に変更、時間の短縮につながりました。コストカットで努力してきた地域のパン屋さん、ただ手間はかかっても変わらないのが、一つ一つ丁寧に手作りするその製法です。
親しまれてきた味を守りたい、その思いでパンを作り続けています。

買い物客
「パンといったら、ハマキョーパンかなっていう感じ、(値段も)手の届かないって感じではないので、これからもちょくちょく買っていこうかなという気持ちはありますね」
「大好きです。子どもたちは小さい頃から食べているパンなので、これじゃないと嫌だとか財布はどうしても締めざるを得ない状況ではあるんですけど、やっぱり欲しい物は買いたいなっていう仕方がないかなって思っています。」

ハマキョーパン 玉城直人社長
「やっぱり原材料の上昇が止まらず、もう1度値上げしなくちゃいけないかなって、検討するような苦しい状況ではありますね。僕でハマキョーパンて4代目になるんですけども、おじいちゃんの時から培ってきたハマキョーパンていう変わらない味を守っていけたらいいなと思っています。」
地域に根差したパン屋さんにも押し寄せる、値上げの波、創業当初から変わらない味を守り続けるため、模索は続きます。