13日夜9時19分ごろ、日向灘を震源とする地震が発生し、高知県内では宿毛市と黒潮町で震度3の地震を観測しました。この地震で室戸岬と土佐清水で津波を観測したほか、気象庁は一時、南海トラフ地震臨時情報を発表しました。これまでに高知県内での被害は確認されていません。

13日夜9時19分ごろ、日向灘を震源とするマグニチュード6.9の地震があり、宮崎県で最大震度5弱を観測。県内では宿毛市、黒潮町で震度3を観測したほか、高知市など16市町村で震度2を観測しました。

宿毛市ではこれまでにも日向灘を震源とする地震で度々、揺れが観測されていて、住民からは不安の声が聞かれました。

(住民)
「たびたび(地震が)来られると心臓に悪い、高齢者になると“逃げる足”がないです」

この地震により、高知県沿岸には津波注意報が発表され、県内沿岸の19市町村に一時、避難指示が出されました。津波は室戸岬と土佐清水でそれぞれ10センチを観測しましたが、昨夜11時50分に津波注意報は解除されました。

また気象庁は、南海トラフ地震が起きる可能性が高まっているかどうかを検討する「南海トラフ地震臨時情報調査中」を発表しましたが、午前0時過ぎに会見を行いました。

(気象庁 地震火山部 束田進也 地震火山技術・調査課長)
「今回起こった地震は、南海トラフ地震発生可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる現象ではなかったという判断になりました」

地震から一夜明け、県内ではこれまでに人的被害の情報はなく、鉄道の運転見合わせなどの情報も入っておらず通常運行されています。

県内で津波が観測されたことを受け、宿毛漁業指導所は養殖業や漁船などに被害がないか調査を行う予定だということです。

気象庁は今回、南海トラフ地震発生の可能性について調査を終了しましたが、引き続き、地震への備えを進めるよう呼びかけています。