13日夜、宮崎県で最大震度5弱を観測する地震が発生しました。気象庁は南海トラフ巨大地震との関連を調査しましたが「巨大地震が起きる可能性が平常時より高まっているとは考えられない」として調査を終了しました。
13日午後9時19時ごろ、宮崎県で最大震度5弱を観測する地震が発生しました。
震源は日向灘で、震源の深さは36キロ、マグニチュードは暫定値で6.6となっています。
気象庁は南海トラフ臨時情報「調査中」を発表し、南海トラフ巨大地震との関連を調査しました。
その結果「新たな巨大地震が起きる可能性が平常時より高まっていると考えられる現象ではなかった」として調査を終了しました。また、この地震で高知県と宮崎県に一時津波注意報が発表され宮崎県の宮崎港などで最大20センチの津波を観測しました。
気象庁が13日23時45分に発表した「南海トラフ地震臨時情報」は以下の通りです。
13日21時19分頃に日向灘を震源とするマグニチュード6.9の地震が発生しました。その後の地震活動は活発な状態が続いています。
気象庁では、南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会を臨時に開催し、この地震と南海トラフ地震との関連性について検討しました。
この地震は西北西・東南東方向に圧力軸をもつ逆断層型で、南海トラフ地震の想定震源域内における陸のプレートとフィリピン海プレートの境界の一部がずれ動いたことにより発生したモーメントマグニチュード6.7の地震と評価されました。モーメントマグニチュード7.0に満たないことから、南海トラフ地震防災対策推進基本計画で示されたいずれの条件にも該当せず、南海トラフ地震の発生可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる現象ではありませんでした。
ただし、南海トラフ沿いの大規模地震(マグニチュード8から9クラス)は「平常時」においても今後30年以内に発生する確率が70から80%であり、昭和東南海地震・昭和南海地震の発生から既に約80年が経過していることから切迫性の高い状態です。このためいつ地震が発生してもおかしくないことに留意し、日頃から地震への備えを確実に実施しておくことが重要です。
気象庁では、引き続き注意深く南海トラフ沿いの地殻活動の推移を監視します。