次世代救済の道を切り開け
発覚からことしで57年。次世代にまで続く被害は、未だ多くの当事者の口をつぐませている。被害者が全国に散らばりまとまりにくい地域的な問題も大きい。そしてたとえ声を上げても、認定されたとしても、体内のPCB・ダイオキシン類が抜けるわけでもない。8回目となったカネミ油症高砂集会。取材のマスコミは数社だけだった。

偏見と差別を知った上で声を上げている被害者は、自分の命があるうちに、子供たちの救済の道筋をつけて欲しいと訴えている。自分が食べてしまったPCB。自分を責め続けてきた親となった被害者達だ。
カネミ油症被害者 森田安子さん:
「カネミ油症は新たな科学的知見がでるたびに、認定基準の改定が繰り返されています。全く法的根拠のない認定基準に翻弄され続け、未認定のまま放置され続ける次世代被害者。現行の認定基準ではいつまでも子どもたちは救われません。次世代被害者を対象にした新たな認定基準、色々な症状を重視し、多くの次世代被害者を救ってもらいたいのが親の願いです」

「油症被害者を地獄の底に突き落としたPCB製造会社カネカは、いくら逃げても責任を免れることはできません。油症被害者救済等に、社会的責任、道義的責任をぜひ果たしてもらいたいと思います。これから親として、体力の続く限り、頑張っていきたいと思います」