買収の禁止命令はバイデン大統領の“レガシーづくり”?

アメリカを代表する老舗鉄鋼メーカーの買収。実現すれば、日本製鉄は世界の粗鋼生産量で世界4位から世界トップ3に食い込むことになります。しかし、USW=全米鉄鋼労働組合が反対姿勢を示すと、国内で反発が広がります。

さらに、勝利には120万票とされる鉄鋼業界の労働組合票が欠かせないアメリカ大統領選でバイデン大統領は…

バイデン大統領
「USスチールは1世紀以上にわたりアメリカを象徴する企業だった。これからもアメリカの企業であり続けるだろう」

そして1月3日、大統領による買収の禁止命令が出される事態となりました。

バイデン大統領
「アメリカ最大の鉄鋼生産者の1つを外国の支配下に置くことになり、重要なサプライチェーンにリスクをもたらす」

アメリカメディアではバイデン大統領の“レガシーづくり”が影響したとの見方も報じられています。

日本製鉄 橋本 会長
「安全保障上の問題があるんであれば、とっくの昔にバイデンはこれを承認しないと判断できた」

――戦略は正しかった?あるいは反省点は?
「反省点はないです」

反省点はないとした橋本会長ですが、もし買収が実現しなかった場合、日本製鉄はUSスチールに違約金としておよそ890億円の支払いが生じる可能性があります。

日本製鉄 橋本 会長
「現時点で当社とUSスチールは実現に向けて一枚岩。それが続く限りは契約が切れるということはない」