―――中野教授は、これらの4つの理由や国葬の現状をどう見ていますか?

(神戸学院大学 中野雅至教授)
基本的に基準がないので、上久保先生がおっしゃっているように、どうしようもないんだと思います。岸田さんの計算ミスやと思うんです。『民主主義の根幹』って次の日に新聞も書きましたけど、実際は旧統一教会問題で、完全ミスリードで、そこから多分判断を間違っていった。ただ僕が思うのは、いま反対していますが、これを強行させた世論が問題なんです。だってアベノミクス以来、安倍さんはいろんな強行なことやってきたけど、選挙ではことごとく圧勝です。その土壌があってこその強行ですから、そこを踏まえた方がいいと思うんです。「強行しても大丈夫、世論は忘れちゃう」みたいな形もあるから強行してるわけで、そこを踏まえた方が僕はいいと思います。
―――そんな中、感情論抜きで議論を始めるために先生によると例えば今後、「全員国葬する、国葬しない、一旦どちらか決めて基準作りが必要ではないか。」と。
(上久保誠人教授)
閣議決定で国葬を決めたんですけど、そもそも法的根拠はあるんでしょう、でも閣議決定の中身がやっぱり問題視されていて、それは結局、政治家の評価は難しいということなんですよね。でも基準がないと揉める。だから今後何らかの基準を決めたらいいんだけれども、そうするときにですね、「もう国葬はやらない。あるいは国葬するんだったら規模はものすごく小さくてもいいから総理経験者は全員国葬する」とか、そういうシンプルな基準を設けるしかないのかなと。結局、政治家の評価ってのは非常に難しいし、できない。あと感情的に対立がすごいので、もう与野党どっちの政治家であっても、総理をやったならば、一定のリスペクトという意味で全員国葬でもいいんじゃないかなと、今の感情的な対立を見ると、そういうことも考えてしまいます。
―――ここは議論の余地がありそうですけれど、何かやっぱり基準が必要なのではないかということですね。
(2022年9月26日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より)














