その男は、日本格闘技界の期待を一身に背負うのは2000年生まれの22歳、平良達郎選手です。


平良達郎選手
「高校生からやってきたことがこういう仕事にもつながるんだと思って、お父さんお母さんや親戚のみんなも喜んでくれたし、頑張ってきてよかったと素直に思った。」
5歳上の兄・龍一(りゅういち)さんの影響で15歳の時に始めたという総合格闘技。ボクシングやムエタイで見るような『打撃』の他にも、柔道やレスリングの要素が加わった『投げ技』や『寝技』など様々な攻撃が許されている自由度の高い格闘技です。

今年1月に平良が契約したUltimate Fighting Championship=UFCという団体は実力・人気ともに「総合格闘技の世界最高峰」と言われており、野球で言えばメジャーリーグ、バスケで言えばNBAのような位置づけになります。
平良選手
「(UFCからは)一応最初の時点で4試合契約とは伝えられているが、負けない限りリリース(契約解除)はないと思っているので、どんどん結果を出して上の選手と戦っていきたい」
これまでの平良の戦績はプロ11戦全勝、アマチュア10戦全勝。競技をはじめて一度も負けていないという異次元の結果を残しており、10月の試合にも期待が高まります。
THE パラエストラ沖縄 松根良太代表
「全ての試合に負けたことがないというのは、格闘技という競技で恐らく僕は見たことがなくて、相撲のようなものです、ずっと勝ち続ける人はなかなかいない」
師匠の松根良太さんは「修斗」という日本で生まれた総合格闘技団体の元世界チャンピオンであり、教え子の平良は修斗の現世界フライ級チャンピオンでもあります。

松根良太代表
「前回(5月)は3週間前から向こう(アメリカ)に行ったが、今回は沖縄で調整して最後10日~1週間で向こうに行くので、そういった意味ではコンディションも良いし、本人も怪我もないし、万全の体制で挑めると思う。」
平良達郎選手
「打撃と寝技で自信があるので、打撃では自分の得意なパンチを当てたいし、寝技ではチョーク(絞め技)だったり今すごい必殺技を練習しているので、それが決まったらと思う。相手もすごく気持ちが強くて対処が上手なので、それを上回るくらいの武器を持っていきたい」
さらなる高みを目指すため、拠点を沖縄に置きつつ単身でタイに乗り込み6週間の修行も敢行。より一層世界仕様に仕上げてきたと言います。

平良達郎選手
「技術的に言ったら頭に入らないくらい習ったが、一番は外の人というか、知らない外国人選手と対人練習できたことが良かった。強い選手には『今のどうやってやるの?』みたいな、拙い英語で聞いて教えてもらったりとか。そういうのがここにいるとできない経験なので学んできた」
24時間格闘技づくしに見える平良には、欠かせない時間があります、それがアニメ鑑賞です。
平良達郎選手
「この時間は…リラックス時間というか、練習が終わったあとの楽しみですね。」
Q大事ですか?
平良コメント
「これがないと生きていけないです」
趣味はアニメ鑑賞。海外に行く時も、予めスマートフォンに動画をダウンロードしたり、漫画を持参したりするそうです。
ファイティングポーズも、大ファンだというある漫画から取っている平良に、嬉しい出来事が。

平良達郎選手
「僕の宝物でもあるが、昔から漫画ナルトの大ファンで、ナルトの作者の岸本斉史先生からいただきました。まあちょっと一本足りないんですけど、『達』の字。めちゃくちゃ嬉しいです、宝物です。」
日本が、沖縄が生んだニュースターには、一つの夢があります。それは、UFCのチャンピオンになること。そのためには、UFCでの勝ち星を一つでも多くつかみ、チャンピオンへの挑戦権を獲得する必要があります。
松根良太さん
「日本人として、UFCのチャンピオンシップに挑んだ選手は何人かいる。ただ、勝てていない。アジアで見ても男子は勝てていない。サッカーワールドカップの頂と似たような感じだと僕は思っている。とてもとても高い山だと思うが、そこを沖縄県から育てて、いつかつかみ取りたいと思っている。」


平良達郎選手
「昔の自分からは想像できないところに今の時点でいるが、何よりも総合格闘技が好きだし、自分だったらUFCのベルトを巻けると本気で思っているので、それに向かってどんな壁にぶち当たっても越えていくだけだと思っている。」
前人未到の領域へ、未だ無敗の超新星が、来月再びラスベガスに乗り込みます