第1グラウンドの第2試合、京都工学院(京都)と国学院栃木(栃木)の対戦は、鍛え上げられた両チームが持ち味を発揮しあう予想どおりの大熱戦となります。
先制したのはBシードの国学院栃木。開始1分、敵陣22m付近のスクラムからブラインドサイドに展開すると、CTB福田恒秀道選手が巧みなランニングでマークをずらしてWTB家登正宜選手が右隅にトライ。難しい角度のゴールをSO神尾樹凛選手が決めて7点をリードします。チャンスをものにして勢いに乗った国学院栃木はさらに10分、今度は京都工学院陣内22m付近のラインアウトからモール攻撃を仕掛けると、そのまま一気に押し切ってトライ、ゴールもきめて14対0とリードをひろげました。
一方、シード校・中部大春日丘(愛知)を破って3回戦にすすんできた京都工学院。この試合もここから主導権を握り返します。接点で激しく働きかけてボールを確保すると、ミスなくボールをつないで、国学院栃木陣内深くまで攻め込みます。
しかし、国学院栃木の粘り強く分厚いディフェンスの前に、なかなか得点につなげることができません。ペナルティーを犯さず規律のとれた対応で、一人一人が確実に役割を果たしていく国学院栃木のディフェンス。前半終了間際には、ゴールラインを背にして守る時間帯が続きますが、全員が集中した素晴らしいディフェンスで京都工学院に得点を許さず、14点のリードを保ったまま前半を終了します。
猛攻をしのぎ切った国学院栃木、サイドの変わった後半、再び最初のチャンスをものにします。後半4分、福田選手がまたしても巧みなステップワークで京都工学院のゴールラインに迫ると、FW陣が縦をついた後、再びボールを手にした福田選手が、ディフェンスを振り切ってトライ。ゴールも決めて21対0とリードをひろげました。攻め込みながらも、少ないチャンスをものにされて差をひろげられた京都工学院。それでも、落ち込むことなく、直後のキックオフからSO杉山祐太朗選手を中心に次々と攻撃を仕掛けていきます。粘り強くフェイズを重ねて攻撃を継続すると、11分には、キャプテンのFB広川陽翔選手がインゴールに飛び込みます。しかし、ここも国学院栃木が驚異の粘り強いディフェンスでグラウンディングを許さず守り抜きます。
国学院栃木の吉岡肇監督が「うちは2試合目に対して京都工学院は3試合目、疲れているはずだがさすがは伝統の力。前半途中からの(京都工学院の)猛攻はすごかった。その猛攻を前半終了間際と後半の10分過ぎにしのげたのが大きかった。それにしてもすごいチームだった」と振り返ったように、攻める京都工学院と守る国学院栃木、この後も両チームの激しい闘志と肉体がぶつかり合う我慢比べの時間帯が続きます。
そして後半の15分、京都工学院がついにチャンスをものにします。国学院栃木ゴール前5mのラインアウトからモールを押し込むと途中出場の岡垣尊選手がトライ、ようやく5点を返しました。残り時間は約15分。逆転には3チャンス以上が必要な京都工学院、その後も果敢な仕掛けで何度も何度も攻撃を試みます。しかし、最後まで国学院栃木の規律のとれた粘り強いディフェンスはくずれませんでした。














