傾いた自宅に住む男性「寒さは我慢」

伏木と同じく液状化の被害が深刻な高岡市吉久地区では地震直後、道路と住宅の間に約50センチの段差ができました。
傾いた自宅に住む80代男性
「下がっとるね。(手を伸ばすと)屋根まで届く」
液状化で地盤沈下した家に住む80代の男性です。
地震から半年、道路の仮補修が終わり、住宅と道路の段差に階段が設置されましたが、自転車を出すには一苦労です。
男性はこの家に40年間、1人で住み続けています。
地盤沈下の影響で家の中も傾いていますが、男性は「大変やけど行くところない」といいます。年金生活で貯蓄も少なく家を建て替えることも、補修することも出来ずにいました。
12月20日、再び男性を訪ねると――
傾いた自宅に住む80代男性
「畳から全部まくって束石の上に柱ある。それが全部傾いてたから直してちょっと水平にしてもらっただけ」
市の補助金を使い居間と台所を補修しましたが、補助金だけでは自宅の一部しか直すことが出来ず、寝室は今も傾いたままです。扉も――
傾いた自宅に住む80代男性
「全然(扉が)閉まらない。寒さは我慢せんなん」
「傾き」に苦しむ日々が続いています。親族からは市外のアパートへ転居するよう勧められていますが歳をとり、知り合いのいない場所で生活するのは考えられないといいます。
傾いた自宅に住む80代男性
「(この先は)どうもこうもないわ。諦め。ただ1日1日生き延びていくだけなが」
暮らしの大きな妨げになっているこの段差が完全復旧するまでにあと2年はかかる見通しです。