街に残る決意をする人も

街から多くの人が離れていく中、この場所に残って生活の再建を目指す人もいます。

ことしで創業97年目を迎える和菓子店「こし村百味堂」。過去には菓子を皇室に献上したこともある地元を代表する老舗です。

こし村百味堂3代目 越村淳平さん
「自分も伏木で生まれて伏木で育ってっていうこともありますけど、(伏木を)離れる気にはなれないなっていう」

液状化の影響で店舗が傾いてしまい使えなくなりました。それでも地震の4日後から店の向かいの住宅に臨時の店舗を構えて営業を再開しました。

12月、店をたずねると――

こし村百味堂3代目 越村淳平さん
「まだ回復できてないというか、元に戻ってない部分も多くてですね。いまだにまだ販売できない商品もございます」

仮店舗での営業が続いていますが、この店の和菓子を求めて県内外から多くの客がやってきます。

高岡市内から訪れた夫婦
「今年よう来たねぇ。少しでも役に立てんかなと思って…」

こし村百味堂3代目 越村淳平さん
「『頑張ってね』という感じで言ってくださったり、たくさんの方に愛されているんだなということが分かった」

地震前に使っていた店舗は春に公費解体が決まりました。新たに店を構える土地を伏木で探していますが、液状化リスクの少ない場所がまだ見つかっていません。

「多くの人に愛されたこの味を生まれ育ったこの伏木の地で守っていきたい」、越村さんは地震を経験しその思いが強くなったといいます。

こし村百味堂3代目 越村淳平さん
「復興の夢というのではないが、自分たちの思い描いている夢のイメージのお菓子を作ってみました」
妻 正美さん
「伏木のまちに思いを込めて作った商品。まだ復興半ば、ちょっとでこぼこした道の中ですけど、春なって蝶が舞って飛ぶ、まちにっていう感じで」

こし村百味堂3代目 越村淳平さん
「ささやかな夢だとは思うんですけど、早く安心した暮らしをしたいという、時間はかかると思うんですけど、(伏木のまちも)以前のように活気を取り戻してもらいたいなって思っています」