“もっと知りたい”のあくなき探求

──脚本執筆時に、大切にされていることはありますか?
脚本を書くことは、人間を理解するための作業なのではないかと考えています。カッコいいセリフを書きたいとか、そういう気持ちはないんです。世の中には本当に多様な人がいますが、私は「この人はこういう人だ」と決めつけるのではなく、その奥深くにある本質を知りたいと思っています。上辺だけではなく、“もっと知りたい”と思って接すると、もしかしたら初めのイメージと違う人間的な一面に出会えるのかもしれないなと。私は人が好きなんです。
「人間の奥深さを知りたい」と語るナウォン氏。その探求心こそが、脚本執筆の原動力だ。人間の深層に向き合いながら物語を紡ぐ作業は、ときに過酷で精神を削る。それでも彼女は「人が好き」という情熱を胸に、日夜リサーチを重ね、物語を形にしてきた。その熱意は観るものの心を深く揺さぶり、作品に命を吹き込んでいる。