そもそも正月は太るもの?

広島大学 藤田直人教授

そもそも、なぜお正月は太ってしまいがちなのでしょうか。

藤田教授は「正月は太るべくして太るもの」と話します。諸説ありますが、これには人類が狩猟採集民族だった頃からの遺伝子が影響している可能性があるということです。

人類が誕生した700万年前、寒くなって食料の調達が難しくなる『冬』を乗り越えることは極めて困難でした。

そこで、寒くなる前にたくさん脂肪を蓄え、その脂肪をエネルギー源として冬を乗り切ろうとする種族が現れたといいます。

その戦略が功を奏した結果、「寒くなる前に脂肪を蓄える種族」が冬を乗り越えることが相対的に多くなり、そうでない種族は淘汰されていったとされています。

藤田教授は「脂肪を蓄えることで冬を乗り越えた種族にルーツがある現代人は、『寒くなるとたくさん食べる』ことが遺伝子に刻まれた本能的な行動ともいえる」と話します。

そのうえ、お正月は食料品売り場に豪華な食材がたくさん並んでいて購買意欲が高まったり、イベントなどで豪華な料理が提供されたりと、ついつい食べたくなる機会も多くなります。

つまり、寒くなることによる本能的な食欲と、豪華な料理が並ぶ環境による食欲。この2つが重なるため、お正月は食べる量が増え、必然的に太ってしまうのです。