2024年8月の台風10号により、静岡市清水区の寺では「墓」が甚大な被害を受け、今も、先の見通せない状況が続いています。そこで立ち上がったのが、地元の学校の生徒たち。「戦時中の恩返しを」という思いがこもっています。
<LIVEしずおか 滝澤悠希キャスター>
「清水区の鉄舟寺です。被害が大きかった場所は現在も立ち入りが禁止されていて、今もほぼ手つかずの状態となっています」
無残になぎ倒された墓石。「鉄舟禅寺」通称「鉄舟寺」は、台風10号による土砂崩れで51基の墓が被害を受けました。あれから3か月あまりが経ちました。
<滝澤キャスター>
「崩れたのり面はブルーシートに覆われ、被害の爪痕を物語る土砂も残されています。今も自然の猛威を感じさせる状態です」
被害にあった墓石や骨壺の移動・整理はすでに完了しています。今後は、のり面の補修や土砂の撤去にあたりますが、一つ、大きな不安があるといいます。
<鉄舟寺 世永天山住職>
「想像以上の費用がかかっている。(今後)どこまで費用がかかるかわからない」
寺の復旧費用を集めようと、同じ清水区にある東海大静岡翔洋高校が立ち上がりました。有志の生徒たちが校内で募金活動をするなど、義援金の受け付けを始めたのです。
東海大学の前身の航空科学専門学校は、戦時中の1943年、現在の静岡市清水区に開校。苦学生も多い中、当時、鉄舟寺が敷地の一部を「寮」として提供してくれた恩があり、今度は“助ける側”にと支援を決めました。
募金活動に取り組んだ生徒たちが、先週、鉄舟寺を訪問し、170万円を超える義援金が集まったことを伝えました。
寺には、生徒たちの行動を知った80歳の女性からこんな連絡がありました。
<世永住職>
「翔洋の生徒たちが一生懸命募金活動されているということで、すごく胸を打たれたと。私も同じようになんとかしたいということで、ぜひ募金をさせてもらいたいという電話があった」
<東海大静岡翔洋高校 若神子凛さん(3年)>
「募金活動を通して、地域の方々とのつながりもでき、私たちにとっても貴重な機会になった」
戦時中から結ばれてきた絆が、寺の復旧を後押しします。
<世永住職>
「1円たりとも無駄にはせず、1日も早い復興を願ってそういう費用にあてさせていただきたい」
<東海大静岡翔洋高校 見崎航平さん(2年)>
「今後も鉄舟寺のためにできることがあれば必ず動くので、そのような活動をしていきたい」
 
   
  













