田久保真紀市長は令和7年9月1日伊東市議会において全会一致で議決した市長に対する不信任決議に対し、同月10日、市議会を解散するという大義なき判断をした。市長の学歴詐称という極めて個人的な不祥事について、説明責任を果たすどころか、根拠のない不可解な言動等を繰り返すことで招いた数々の混乱に対する責任を負うことなく、追及されるたびに論点をすり替え市民を欺き続ける態度には、市議会の解散を正当化し得るだけの大義はみじんもない。また、あろうことか自身の問題を直視せず棚上げし、事実無根にもかかわらず議案審議を放棄したとして市議会に解散の責任を転嫁した振る舞いは、自身を正当化するためだけに、こじつけの理由をつくりあげ、市議会の不在をいいことに一方的に主張するに過ぎないものであったと言え、暴君の所業と言っても過言ではない。多額の予算が計上された市議会議員選挙に対しては、「選挙執行に対してお金がもったいないというのは、これは果たしてどうなのか」との旨を述べ支離滅裂な大義名分を語るなど、自身のエゴイズムの代償として市民の血税や時間が浪費されることに対し、何のためらいもない様子には驚くばかりか、常人には到底理解し得ず、毎日の生活に苦慮している市民のことを忘却した無責任な発言であったと言える。本市議会からの告発をはじめとして、複数の刑事告発を受けている状況にあるにもかかわらず、その職にとどまり続ける態度は、自身の置かれている立場を全く客観視できておらず、本市議会のみならず、伊東市民を侮辱するものにほかならない。混戦を極めた市議会議員選挙において、立候補した前職18名が全員当選するという選挙結果は、民意がまごうことなく田久保真紀市長の退任を求めていることの証左であり、投票した市民の良識が示された以上、本市議会が残り、市長が失職するという結果に至るのは道理であることから、市長自身に進退の選択の余地を与えるものではない。しかしながら、選挙結果を受けてもなお、動画配信サイト等の安全圏において、荒唐無稽(こうとうむけい)な持論をもって100条委員会や東洋大学を誹謗中傷し続け、保身を企てる姿は、民意を一番に考える市長の姿とは見てとれず、それこそ自身のなすべき責務を放棄した度を越した自己愛の暴走であり、情報発信の自由度が高い時代においては、影響力の大きい公人としてふさわしくない悪あがきであるとも言え、滑稽でしかない。就任から5か月余りが経過してもなお、目立った政策の提示や実現がされない中、改革者の名を僭称(せんしょう)する市長が唯一改革の火種を残したと言えるのは、地方自治の歴史に残る出来事として、性善説に成り立つ地方自治法の趣旨からは想定していない事態が生じ得るということであり、市民や市政を第一優先としない首長がいた場合に「まちはどうなってしまうのか」というケーススタディーとして、法律の穴とも言える点について世の中で広く議論されるようになったことのみである。市議会議員選挙の結果を受け辞職の意を表明してもよいところ、報道取材においても何ら誠意を示すことなく、ただ待ち続け今日この議場にいるということは、自省の姿勢などかけらもないことを示すものである。田久保真紀市長がその職にとどまり続けることは、選挙を通じて示された民意を無視するものであり、決して許されることではない。引かず、省みず、悪びれることのない市長の姿勢に対し、本市議会は、市民が伊東市民としての誇りを取り戻せるよう、民意を尊重し地方自治法に従い、粛々と手続を進めるのみである。よって、本市議会は、田久保真紀伊東市長を、再び信任しない。以上、決議する。

令和7年10月31日伊東市議会