「これからどうするかが大事」伸子さんの言葉に背中を押された元受刑者
奈良県にある元受刑者や依存症の人を支援する施設。伸子さんは、ここに2週間に1度足を運び、利用者の相談にのっています。施設を利用する32歳の男性。ギャンブルに依存した結果、金に困り、いわゆる「闇バイト」に手を染め逮捕されました。
取材した日は男性と3回目の面談。趣味のマラソンのことや、最近の悩みなど約1時間、話をしました。
(伸子さん)「今、悩んでいることもない?」
(施設を利用する男性)「睡眠の質のことくらいですかね。熟睡がずっと前からできなくて。眠りが浅くて」
男性は、出所してもしばらくの間、罪を犯してしまった罪悪感から前を向けない時期があったといいます。そんな時に背中を押したのが、伸子さんから言われた「過去は変えられないが、これからどうするかが大事じゃないか」という言葉でした。
(施設を利用する男性)「悩みごとができたら相談できる人は今後の僕にとっては大事なのかなと。これまであんまり相談ということをやってこなかった。(伸子さんは)常に前を向いていらっしゃるなと。そのアグレッシブさを感じると、僕も元気になるというか、頑張らないとと思う。刺激を受けています」
男性は今年8月、社会復帰に向けて一歩を踏み出しました。施設からの紹介を受け、奈良県内のラーメン店で働いています。正社員になって社会に貢献していくことがこれからの目標だといいます。