“終活”としてアートメイクを選択も
患者のなかには、人生の終わらせ方を考える“終活”のひとつとして、アートメイクを選択する人もいるという。

医療アートメイク専任 柴田看護師
「50〜60代は、友人や親族に先立たれる経験も多くなってくるからでしょうか、『突然倒れたときのためにまゆ毛だけは綺麗にしておきたい』と感じている患者さまは多いように思います。
まゆ毛は“顔の額縁”ともいわれているので、まゆ毛のメイクを重視している女性も多いはずです」
Aさんは、老眼に加えて、29歳のときに発症した難病の症状もあり、目が見えづらいこともあるという。また、アートメイクはMRIなど病院での検査に影響があると思い施術をためらっていたが、Aさんの場合は問題がないと分かり施術を受けることにしたという。
(※東京イセアクリニックでは、アトピー・ケロイド体質の人、心疾患・糖尿病など疾患を持っている人には施術を行っていないといいます。治療や検査で通院している場合は医師への相談が必要です。また、施術後にMRIを受ける際には、必ず医療機関にアートメイクをしている旨を伝えてほしいということです)
Aさん(64)
「難病を抱えた周りの人の中には、早くに亡くなる人もいたんです。せっかくこの歳まで生きられたのだから、最期まで綺麗でいたいって気持ちがあって」
施術から数日後、改めてAさんに話を聞いた。
Aさん(64)
「新しい命というか新しい風が吹いたというか、そういう気持ちで、鏡を見ることにも前向きになれました。
今まで時間がかかっていたまゆ毛を描くのが楽になって時短にもなるので、これからは『いつもより丁寧にファンデーションをぬろう』とか、『アイメイクに挑戦してみよう』とか、わくわくしています。
外に出ることにも前向きになれそうだし、私たちのような年代の人にとって外に出るって、健康面でもすごく大事なことだから、『この年齢だし、いいや』と思っていた部分もあったけど、施術を受けて本当に良かった。
“終活メイク”としてもすごく良いと思う」