食を通して、その土地の歴史・文化にふれる新たな旅のスタイル「ガストロノミーツーリズム」。外国人富裕層を地方に呼び込む方策として注目を集めています。
沖縄県などが進めている、知的好奇心を満足させる美食の旅をプロデュースする取り組みを紹介します。
11日に開催されたガストロノミーツーリズムのモニターツアー。県や国などでつくる団体が企画したもので、旅行事業者やインフルエンサーなどが招かれました。今回のコンセプトは、富裕層の知的好奇心を満足させる美食の旅。

▼琉球史研究家 上里隆史さん
「今回はこの首里城を巡りながらその秘密をひもとき、夜の食事を楽しんでいただけるようにご案内したいと思います」
琉球史研究家の上里隆史さんをホスト役に、食を通して沖縄の歴史・文化にふれる半日のコースです。まず参加者の興味を誘ったのが、ユネスコの無形文化遺産に登録された泡盛の歴史。
「琉球王国の時代、ここは泡盛の酒造所がたくさんあった場所として知られています。お酒を造る道具と原料は首里城から与えられていた。それをもとに泡盛を作って、一定の量を納める。余ったお酒は市販してよろしいと、そういう仕組みになっていたんですね」
王府によって管理された泡盛造りは、琉球の国家戦略として発展してきた側面を持ちます。ツアーでは歴史の背景にある文化の力を琉球漆器の工房を訪ねるなどして体感してもらいます。
続いてい訪ねたのは福州園。
那覇市と中国福州市の友好関係を記念して開園した施設です。

▼琉球史研究家 上里隆史さん
「日本で最古級の中華街、いわゆるチャイナタウンだったのがこちらなんです」
14世紀以降、中国との貿易で栄えた琉球王国。その歴史や交流の深さを感じてもらった上で、琉球が外交において重要視していた芸能でもてなします。
▼参加した旅行事業者
「インバウンド富裕層向けにツアーの企画と販売をしている会社でしてそのひとつのコンテンツとして今回ツアーを活用できたらなというところで、我々も沖縄と中国がこんなに深い歴史があった、関係があったとは知らなかったのでそのあたりを中国の方が知ると、より面白いと思ってもらるのではないかと思います」