普天間基地の移設に伴う名護市辺野古の埋め立て工事で、防衛省は28日午後にも大浦湾側で本格的な埋め立てを始める方針です。

埋め立て工事をめぐっては、大浦湾側の海域では軟弱地盤改良のためくいを打ち込む作業が始まっていますが、防衛省は気象条件などを理由に今年6月以降の作業を中断しています。

辺野古・大浦湾(28日撮影)


こうしたなか防衛省は大浦湾側の約4.2ヘクタールの海域の埋め立て工事を28日午後にも行う方針です。

国による「代執行」に伴い大浦湾側の埋め立て工事が行われるのは初めてで、土砂が運搬されるキャンプ・シュワブのゲート前や大浦湾の海上では、工事に反対する市民たちが抗議の声を上げています。

▼玉城知事
「全体の見通しが立たないにも関わらず、生物多様性が極めて高く貴重な自然環境を有する大浦湾を埋め立てることは性急過ぎるのではないかと言わざるを得ません」

大浦湾側の埋め立て本格化について玉城知事はこのように述べ、国の姿勢を批判しました。

定例会見に臨む玉城知事(28日午前)

また玉城知事は、大浦湾側では砂くいを打ち込む工事が5か月以上停止してることに触れ、「長期化が懸念され、工事全体の完成が困難な状況が明らかになりつつある」とした上で、国に対し移設計画の断念と普天間基地の1日も早い危険性の除去について対話による解決をあらためて求めました。