これまで「100歳の市民への祝い金」として、10万円を贈っていた岐阜県郡上市。しかし、来年度からは100歳を迎えた高齢者へ贈るこの祝い金を廃止することを検討しています。一体なぜなのか。

(郡上市 山川弘保 市長)
「100歳以上の予算を若い世代へ回すのは、給食費の一部に充当させていただく。若い世代に懸けてみたい」」

現在、郡上市の公立中学校では、生徒1人あたり月に4600円の給食費を徴収しています。しかし、来年度からは市内の全中学生約1000人分の給食費を無料にすることを検討しているのです。

実現するとなると年間約5500万円が市の負担となります。そこで、現在も続く100歳の祝い金を廃止して、中学生の給食費の財源の一部として割り振ろうという計画です。

(郡上市 山川弘保 市長)
「若い世代へ予算をシフトさせて下さい。そういった思い切ったことをしないと右肩下がりの地域になってしまう。消滅可能性都市(の恐れ)は消えないだろう」

郡上市の人口は現在約3万8千人。2050年には約1万7000人減少するとの推計もあり、このままのペースで人口が減っていくと、国が定めている「消滅可能性都市」の基準にあてはまるといいます。仮に郡上市が10万円の祝い金を廃止した場合、捻出できる財源は350万円ほど。

他にも敬老会への交付金の廃止も検討中で、1700万円を確保できる計算です。足りない3500万円については、一つ一つの事業を検証しコストカットしていく方針です。