倉敷市を走る水島臨海鉄道で、60年以上前に作られた旧国鉄の車両を使い、普段入れない貨物駅などを巡る特別ツアーが行われました。観光資源として地域の活性化に貢献できるか注目されています。


(大森保彦記者)
「今回のツアーでは、クラウドファンディングで修復された貴重な車両を体験することができます」

地域独自の観光資源として鉄道の車両を活用しようと行われたツアーです。関東や関西などからも含め、59人が参加しました。


(参加者)
「小さいころから、こういう古い地方の電車とかが好きだったので」


水島臨海鉄道では去年(2021年)、クラウドファンディングで費用を募り旧国鉄の車両を修復しました。当時の色に塗りなおした“キハ37”と“キハ38”が参加者を運びます。


(参加者)
「扇風機は久しぶりに見た」


また水島駅からは貨物専用線に入り、コンテナの積み下ろしを行う東水島駅に向かう車窓から普段は見られない景色を堪能しました。


(参加者)
「旅客から先まで貨物の方まで行くことができたので、珍しいんで。やっぱり特別感があった」


(参加者)
「​きれいになりましたねえ、ニーマルゴ、うれしい」


そして倉敷貨物ターミナル駅で参加者を待っていたのは、1960年製造の“キハ205(にーまるご)”です。5年前に引退後、全国からの暖かい寄付によってよみがえったエンジン音を響かせました。



(参加者)
「灰皿みたいなものがある。(灰皿だよ)へぇ~」


「JNR(国鉄マーク)ですよ。20(キハ205)のぬくもりというか、いいです」

参加者は車両に乗り込んで写真を撮ったり、備え付けの栓抜きで瓶のコーラのふたを開けたりしていました。


(水島臨海鉄道 林幸治専務)
「コロナで少しお客様の数が減ったというところもございますので、お客様を増やすことにつながっていければなと。水島の町も元気にしていきたいという思いもございますので、そこにつながっていければいいなというふうに考えております」


年末までに5回行われるツアーはすでに定員に達する人気ぶりで、水島地区の新たな観光資源となりそうです。