拡散前の偽情報を事前に警告「プリバンキング」とは?

藤森キャスター:
偽情報の対策として、ファクトチェックだけでなく偽情報が出回る前に予防する「プリバンキング」というものがあります。偽情報が出回る前に、拡散が予想される偽情報を事前に警告するというものです。
2022年、台湾の元デジタル担当大臣のオードリー・タン氏は「ディープフェイクの危険性」について、動画を投稿していました。

オードリー・タン氏が投稿した動画
「待って!本当に本物のオードリー・タン?もう一回観てみよう。この人、本当に“あの”オードリー・タン?
この動画を観ている人は簡単に『ディープフェイク』だと見抜けたかもしれません。じゃあ、あなたの友達や家族も『絶対に見抜ける』と言い切れますか?もし詳しく知らないモノがディープフェイクになっていたら?本当に見抜けますか?
画像や音声が簡単に改変できる今、何を信じるべきでしょうか?」
藤森キャスター:
動画はオードリー・タン氏自身が作ったディープフェイクです。「プリバンキング」は有効なのでしょうか。

AIエンジニア 安野さん:
一つの手段として有効だと思います。研究を見てみると、偽情報を信じてしまった後に訂正するのはなかなか難しい。一方で、「こういう技術があり、こう使われるかもしれない」とか、選挙のときなどに、「二つの陣営を分断するような言説がまかれる可能性がある」などの警告をしておくと、それに対する警戒心が一定上がり、信じる前に対処することができます。
いろいろな手段を組み合わせながらやっていくのが一番だと思いますが、「プリバンキング」も取り入れるべき主要な戦略の一つかなと思います。
小川キャスター:
安野さんは東京都のDXなどのアドバイザーをなさっていますが、こういったアドバイスもなさっているのですか。
AIエンジニア 安野さん:
東京都では「ブロードリスニング」という、皆さんの意見を聞くということをやっています。
今、SNSではフィルターバブルで、自分と近い意見の人しか見ることができないという問題がある中で、全体像が見えるようにすることは意味があるのではないでしょうか。
小川キャスター:
「プリバンキング」をどう多くの人に見てもらうかということもポイントになってきますね。














