内戦が続く中東シリアで、反体制派勢力が首都ダマスカスを制圧し、政権は崩壊したと国営テレビで宣言しました。アサド大統領がダマスカスを脱出したとの報道も出ています。
車両の上で喜ぶ大勢の市民。シリアの反体制派勢力は8日、国営テレビを通じて声明を出し、首都ダマスカスを制圧して、アサド政権は崩壊したと宣言しました。
また、政権によって不当に拘留されていたすべての人々が刑務所から釈放されたということです。
ロイター通信は軍の関係者の話として、“アサド大統領の乗った飛行機がダマスカスを離れた”と報じましたが、行き先など詳しいことは分かっていません。
シリア ジャラリ首相
「人々から選ばれた指導部と協調する準備ができている」
これに先立ちジャラリ首相は8日、声明を発表し、政権移譲に協力する考えを示しています。
シリアの反体制派勢力は先月27日、北西部から大規模な攻勢をかけ、ダマスカスに向かって包囲網を狭めていました。
シリアで臨時代理大使を務めていた専門家は、今回の事態に至った背景と今後について、次のように話します。
日本国際問題研究所 松本太 プラットフォーム本部長
「流れとしては去年10月7日以降のハマスのイスラエル攻撃に始まった流れが、きょうに至るまで続いているということだと思います。引き続き色々な外国の勢力も含めて分断されている状況というのは、今この時点ではすぐにそれがどう解決するかというのが見えない状況。依然として政治状況がはっきりしませんから、当面人道状況の改善という意味では時間がかかるんじゃないのかなという印象」
そのうえで、シリア国内の反体制派は一つにまとまっているわけではないため、混乱が続く可能性は「十二分にある」と指摘します。
日本国際問題研究所 松本太 プラットフォーム本部長
「まずは新政府がどういった構成でつくられるのか、それに対して地域諸国あるいは外国、他の域外諸国を含めてそれを支援できるような体制となるのか、ここはまだ未知数だと思います」
ロイター通信によりますと、反体制派のテレビ演説の後にシリア政府軍がハマやホムスなどで作戦を進めているとの声明を出していて、予断を許さない情勢が続いています。
中国外務省は8日、「情勢の変化を注視しており、シリアが早期に安定を回復するよう希望する」という報道官談話を発表しました。そのうえで、シリアから出国を希望する中国国民を積極的に支援していくとしています。
習近平国家主席は去年9月、中国を訪問したアサド大統領と会談し、「戦略的パートナーシップ関係の構築」を確認したほか、経済面での関係を強化する方針で一致していました。
中東地域での影響力を拡大している中国が今回の事態を受け、どのような役割を果たしていくのか注目されます。
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