なかでも有効な対策が、ヘッドライトを上向きにするいわゆるハイビームです。ハイビームとロービームの見え方を検証した実験では、時速80キロで走行した場合、ハイビームはドライバーが100メートル手前で障害物に気づいて停止。一方、ロービームの停止位置はわずか9メートル手前でした。

一般的にハイビームは100メートル先まで照らすのに対し、ロービームは40メートルとされています。歩行者の服装で見え方は変わるものの、ハイビームは早めの発見に繋がります。

また道路交通法第52条第2項では、夜間に他車両と行き違うときや前走車の直後を走る場合には、ヘッドライトの消灯あるいは減光する等灯火を操作しなければならないと定められています。

つまり、夜間に車を運転する際、『ライトはハイビームで走行すること』が基本ということです。

JAF大分支部 岩元幹太さん:
「ハイビームは『走行用前照灯』といい、走行している時はハイビームで基本的に走行することが決まりになっています。事故を起こさないためには、ハイビームを活用し、対向車が来たときはロービームに切り替えて走行してほしい」

県警はドライバーに早めのヘッドライト点灯を周知するため、10月から「照TIMEー17」と名づけた取り組みを実施。夕暮れ時には幹線道路で街頭活動を行い、午後5時のヘッドライト点灯を呼びかけるなど指導取り締まりを強化しています。

県警交通企画課 河野豊秀次席:
「暗くなってからでは遅いので、早めにライトを点灯してください。午後5時の『照TIME』時間につけていただければと思います。歩行者の皆さんも明るい服装や反射材を着装して事故に遭わないように気をつけてください」

車で移動する機会の増える年末に向けて、早めのヘッドライト点灯を心がけることが重大事故を防ぐことにつながります。