福岡市の企業が開発した雨水を溜める地下タンク「ためとっと」。国連ハビタットに採用され、アジア、アフリカで役立てられています。コロナウイルスの世界的流行で、プロジェクトが止まっていましたが、3年ぶりに再開しました。

◆「大建」と九州大学が共同開発

今年6月、福岡空港から出発したのは福岡市の建設会社「大建」のメンバーです。


大建 松尾憲親社長「まだ状況がいろいろ変わっているところもあるでしょうから、緊張しています。無事に着けるかが一番気がかりですね」

大建が九州大学と共同開発した雨水地下タンク「ためとっと」。掘削したところに遮水シートを貼り、岩石を砕いた小さな石を入れます。敷き詰めた石の上には、土を埋め戻して利用することができます。


石の間にすむ微生物が汚れを食べて分解するので、水道水と変わらないくらいのきれいな水を貯めることができます。

◆国連ハビタットが採用

開発した集合住宅で活用していた、この雨水タンクのシステムが国連ハビタットに採用され、開発途上国のラオス、ベトナ、ケニアに設置されています。


コロナ禍で国と国との行き来ができなくなる中、止まっていたプロジェクトがやっと再開されました。向かう先は、新たに二つ目を設置することになったケニアです。


国連ハビタット福岡本部 星野幸代本部長補佐官「前回の状況がどうなっているかとか、キャンプもコロナの感染がひどかった地域もあるようなので、その影響がどうなのか気になるところはありますけど、大変楽しみにしています」