全国で深刻化している空き家問題への新たな一手となるかもしれません。
空き家に残され、処分に時間がかかっている品々をフリマアプリ「メルカリ」でどんどん売ってしまおうという取り組みを鳥取県南部町が始めました。
空き家対策を目的とした、自治体とメルカリとのこうした連携は全国で初めてです。
21日午前、フリマアプリ「メルカリ」内に開設されたのは、その名も「南部町空き家リサイクルショップ」。
鳥取県南部町とメルカリグループ2社が官民連携で立ち上げました。
ここで出品される商品、実は…
土江諒 記者
「こちらに並べられたピカピカの品々。実は空き家から出てきたものなんです」

「鮮やかなドレス」に「七福神の置物」。これらは空き家に残されていた「家財」です。

さっそくホームページを見てみると…
鮮やかなドレスは1500円。七福神の置物は1800円。豪華な汁椀は3000円で出品されていました。

空き家の数は全国で年々増えていて、社会問題となっています。
南部町にも6年前の時点で、180棟の空き家があることが分かっています。
町とボランティア団体が空き家利活用の取り組みを進め、これまで40棟以上の空き家に移住者などが入居しましたが…。

南部町 陶山清孝 町長
「今、持っている所有者から新たな人に繋げるのに、家の中に入っている品物が動かない、という大きな課題があることに気が付きました」
現在、県内外から、南部町への移住を希望する人がいる中、空き家の家財整理などが追い付かず、実は64組が待っている状況とのこと。
ニーズはあるのに、家財の処理が追い付かず移住者を受け入れられない…。
そんなモヤモヤの解決の糸口が、「メルカリ」との連携でした。

南部町 陶山清孝 町長
「家の中の品物をごみとして出さないことが、私たちの一番大事なことです。リユースをするということです」
ボランティア団体が空き家の所有者から無償で家財を受け取り、「メルカリ」に出品。
売り上げは活動費用に充てられ、空き家の利活用を加速させるという、まさに一石二鳥です。

メルカリ 経営戦略室政策企画参事 高橋亮平 さん
「これ成功したら南部町に限らず、全国の色んな町で実践できると思いますので、そういった意味では、空き家対策の一つの可能性の一歩を踏み出せたかなと思っています」
空き家に残る品々に、新たな価値を。
南部町でスタートした取り組みが、全国に広がっていくかもしれません。