テレビの世界へ
久野:それで結局テレビに移っちゃうわけですね。
武:うん、うん。
久野:プロデューサーの名前を出してやっているのは…
武:「目撃者」※ 。
※1964年11月27日放送。脚本:安部公房、演出:久野浩平、出演:井川比佐志、市原悦子。芸術祭奨励賞。
久野:その翌年の「海より深き」※と。
※1965年11月21日放送。脚本:秋元松代、演出:久野浩平、出演:南田洋子、北林谷栄。芸術祭文部大臣賞。和泉式部の民間伝承をもとに、炭鉱事故による悲劇に見舞われた一家の苦悩を描いた現代ドラマ。
武:その前にも……。
久野:あ、「山ほととぎす ほしいまま」※ 。
※1964年9月4日放送。脚本:秋元松代、演出:久野浩平、出演:渡辺美佐子、森幹太。大正時代の女性俳人杉田久女をモデルにしたドラマ。
久野:だんだんテレビが面白くなっていったんじゃない?
武:いろんな役者さんと仕事出来るし、いろんな作家と話ができるっていうのは面白かった。それとやっぱり、取材っていうのが面白かった。安部さんはそうでもないけど、秋元さんは、ほんとに足で書く人だったから。
