「信じている」泣いて訴え
最後に言っておきたいことはないか?裁判官にたずねられた被告は、泣きながら「私は心から信じている。Aさん(男子高校生)と私は同意に基づいて行為を行った。Aさんを傷つけたのであれば、心から謝罪します。私はAさんを傷つける意図は本当にありませんでした。それだけです」と英語で語った。

弁護人によると、被告は逮捕時から一貫して無罪を主張。一方、男子高校生が被害を訴えていることを受け、「傷つけた」として150万円を支払っている。
母国語の違う、およそ50歳離れた被告と高校生。そのやり取りはすべて、第三者の見ていない「密室」で行われた。事実認定は、2人の証言に基づくしかない。それが食い違った場合、証言の信用性が争われる。
「不同意性交」の認知件数は急増
「不同意性交罪」は、去年7月の刑法改正でできた(2023年6月23日公布、同年7月13日施行)。強制性交罪と準強制性交罪を統合したものだ。
暴行や脅迫を用いた性的行為だけでなく、「アルコール・薬物の影響」「恐怖・驚愕」「地位利用」など、「同意しない意思を形成、表明、全う」することが困難な状態で性交等を行う罪だ。
警察庁によると、2023年の「不同意性交等」の認知件数は2,711件で、前年の「強制性交等」に比べ1,056件(63.8%)増加。2024年1~5月の認知件数も1,486件と、前年同期のおよそ2倍に増加している。














