海外進出の取り組みから“二酸化炭素ゼロ”へ
レグナテックの樺島雄大社長は「SAGA COLLECTIVE」の発起人で、現在の協同組合の代表も務める。2017年の発足当初は、県内の伝統産業が集まって海外進出を目指すことが目的だったと話す。
「恥ずかしい話ですが、佐賀県は『都道府県魅力度ランキング』などでよく最下位になっています。でも、佐賀で生まれ育った私としては、伝統産業もいろいろあるし、何でそんなに魅力がないのだろうと疑問を持つと同時に、不満に思っていました。そこで、イメージを変えるために新たな流れを作りたいと思い、異業種が集まってブランド化したのが『SAGA COLLECTIVE』です。国内だけでなく海外にもブランドを広めようと、シンガポールに売り込みに行ったのが始まりでした」

ところが、2020年から新型コロナウイルスの感染が拡大し、海外での展示会が開けなくなった。そこで、SDGsなどについての勉強会を重ねながら、広告代理店など3社に新たなブランディングの提案を求めたところ、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科が提案したカーボンニュートラルによるブランディングを行うことで、会員企業の意見が一致した。
「会員企業には400年以上の歴史を持つ有田焼や、醤油や味噌、そうめん、酒造会社など100年以上続いている企業も多く、経営者の皆さんの自然環境に対する意識は高くなっています。地場産業をこれからも守っていくためにも、二酸化炭素削減は必要だと考えました」