徹底した節電で二酸化炭素排出量を削減

11社のうち、独自でカーボンニュートラルを達成した会社は、すでに7社にのぼる。そのうちの1社が佐賀市諸富町に本社と工場がある家具メーカーのレグナテック。諸富町は隣接する福岡県大川市とともに、日本有数の家具産地として知られる地域だ。

レグナテック(佐賀市諸富町)

レグナテックでは年間270トンだった二酸化炭素排出量を、200トンにまで削減した。主な方法は節電だ。

レグナテックの工場

工場などの事業所では、30分間に使われた電力の平均値であるデマンド値によって契約電力が決まる。デマンド値が最も高かった30分間の使用量が、最大需要電力として契約電力に設定されて、基本料金を左右する。このため、最大デマンド値を下げることが、電気代を抑えるとともに、電気使用による二酸化炭素排出量を抑えることにつながる。

レグナテックでは節電にあたって、700本もの電灯をLEDに交換。大型の加工機械は稼働時間を短くすることや、複数の機械を同時に使わないなどの管理を徹底して、業務の効率化に取り組んでいる。その上でデマンド監視装置を導入し、一定の電力使用量を超えるとアラームが鳴るように設定して、最大デマンド値を抑えている。今年9月には再生可能エネルギーを導入しており、二酸化炭素排出量を大幅に削減する予定だ。

大型の加工機械は稼働時間を制限
デマンド監視装置

環境への取り組みは他にもある。加工によって出た端材はすべてリサイクルするほか、細かい木材のゴミは農家に無償で渡して、農家が牛舎に敷き詰める素材などに使う。また、おがくずを使ってカブトムシを育てて、地元の子どもたちに配るなど、森林資源を無駄なく活用している。輸入木材よりも輸送などで二酸化炭素排出量が抑えられる、地元の佐賀県産材を使ったオフィス家具の開発にも力を入れている。

端材はすべてリサイクル
佐賀県産材を使ったオフィス家具