今年夏のコメの品薄から、新米が出回るようになったものの高値が続いています。そうした中で、松本市の「おかわり無料」の食堂は「定食」の価格をどう維持していこうとしているのでしょうか、現状を取材ました。

松本市中央の「勤労者福祉センター」内で営業している、その名も「白飯(しろめし)が進む食堂弐助(にすけ)」。

定食を中心にマーボー豆腐や唐揚げなど、“ごはんに合う”メニューが18種類。おととしのオープン以降、客を増やしています。

店の売りでもある、ごはん。ランチ営業のために毎日2.5升以上を炊き上げます。

米はコシヒカリで、契約している松本市と安曇野市の3軒の農家から直接仕入れているといいますが…

弐助寺島大輔さん:
「新米をいま使いだしているんですけど、そこからは農家さんのほうで肥料分だけ値段を上げますからということで、1俵で1,000円から1,500円くらい(上がった)」

総務省が発表した10月の消費者物価指数は、2020年の平均を100とした場合「米類」が「156.3」に。

前の月と比べても12パーセント、1年前(23年10月)と比べると58.9パーセントも上がっています。

この店では、直接農家から仕入れているため、市場に比べると値上がり幅は小さいといいますが、そのほかの食材の価格や光熱費なども軒並み上がっているため、定食の値段の維持も簡単ではありません。

弐助 寺島大輔さん:
「もう少し食べたかったとか腹八分目ぐらいで止まるんじゃなくて、しっかりお腹いっぱいになったというその満足感を得ていただきたいというのがあって」

「お待たせしました、W定食です。ごはん、おかわりできますので気軽におっしゃってください」

この店ではなんと、ごはんのおかわりが無料!

訪れた客は:
「すみません、おかわりいいですか。さっきと同じくらい」

おなかいっぱい食べてほしいと、オープン当初から続けているサービスです。

利用客:
「ごはんが好きなのでとてもうれしいです。(サービスが)あったら必ず2杯以上は食べたいですね」
利用客:
「おいしいですし僕まだ若いので量もほしいですし、そういうのでバランスがよくて週2~3くらい(来ている)」

弐助 寺島大輔さん:
「皆さん、ご飯おいしいねっておっしゃっていただくので、よほど価格が世の中が変わらない限りは、ずっと続けていくと思います」