時の流れがゆっくり…早朝のお坊さんたちの托鉢 心身も清澄になっていくような気分に
スタッフ受けの良い理由のふたつ目が、街の雰囲気。時間の流れるスピードがゆっくりで、かつての王都でありながら鄙びた感じがあります。同じインドシナ半島のタイのバンコク、ベトナムのハノイなど現役の首都は喧噪に包まれ、三輪タクシーのトゥクトゥクに乗るときにも「料金とか、だまされないようにしないと・・・」とある種の緊張を強いられます。こうした生き馬の目を抜くような緊張感は、ルアンパバーンにはほとんどありません。ラオスの首都がヴィエンチャンに移ってしまい、いまでは現役の都ではなくなったおかげかもしれません。

さらにルアンパバーンの雰囲気をいい感じにしているのが、早朝のお坊さんたちの托鉢。

街にはルアンパバーン様式といわれるオレンジ色の三角屋根をいくつも重ねたような寺院が点在し、世界遺産エリアだけでも34もあります。こうした寺院から、毎朝5時すぎになるとオレンジ色の袈裟を着たお坊さんたちがぞろぞろと現れ、夜明けの街を列をつくって歩いて行きます。お寺ごとに歩くルートが違い、その道沿いに街の人々が座って待っていて、餅米やお菓子などをお坊さんたちに渡していくのです。

私もルアンパバーンに行ったときに、毎朝この托鉢に付いて回ったのですが、早朝の澄んだ空気の中にお坊さんたちが時折立ち止まって唱える念仏が流れて、自分の心身も清澄になっていくような気分になりました。
テレビの制作現場は緊張感が続き、あまり健康的な生活ではないことが多いので、こうした気分を味わえるロケ現場は貴重だと思います。














